2015年11月18日、神宮球場において、明治神宮野球大会、大学の部において、
亜細亜大学が2年ぶり5回目の優勝を成し遂げました。

延長13回裏には、亜細亜大学は満塁のピンチを迎えたが、なんとかしのぎ切ったのが大きかったと思います。

延長戦の攻防をお話ししたいと思います。

〇延長13回裏の亜細亜大学の粘り

延長13回裏、早稲田大学の攻撃で1アウトから四球とヒットで、1アウト1、3塁のピンチを迎えることとなった。

そこで、救援の亜細亜大学の大魔神と呼ばれる花城投手が四球を出し、満塁のピンチとなる。

そこで、迎えるバッターは、本日ホームランを放っている4番丸子選手。

ここで、4年生右腕花城投手は、腹をくくったそうです。

犠牲フライでもサヨナラ負け、内野ゴロでも最悪の場合は、サヨナラ負けとなる。

どう考えても、どう足掻いても仕方のない場面。

できればピッチャーゴロでダブルプレーを、もしくは、内野手の正面を突く内野ゴロによるダブルプレーでしのぐことがベストの結果である。

結果、亜細亜大学、花城投手が全力で投じた一球は、ファーストゴロとなり、ファーストからキャッチャーに送られ、2アウト。

そして、キャッチャーからファーストに転送され、ダブルプレーとなり、3アウトとなった。

最高の形でピンチを守り切ったのである。

〇延長14回表、亜細亜大学に神からのプレゼント

野球はおもしろいことに「ピンチの後に、チャンスあり」とよくいわれるように
14回表の亜細亜大学の攻撃は凄まじい結末を迎えることとなる。

先頭バッターの8番宗接選手がヒットで出塁した。

すかさず、次のバッターがセオリー通り得点圏にランナーを進めて、1アウトラン
ナー2塁となる。

次の1番バッターの時にセカンドへの牽制球が悪送球となり、1アウトランナー3塁となり、早稲田大学にとっては絶対絶命のピンチとなる。

しかし、1番バッターの藤岡選手は、ショートゴロとなり、本塁を狙った宗接選手がホームでタッチアウトとなり、2アウトランナー1塁となった。

誰もが、もうこの14回の亜細亜大学の攻撃は0点だなって思ったと思います。
しかし、ここからが劇的な幕切れとなる。

ここで、163球を投げ熱投を続けてきた大竹投手から吉野投手へとピッチャーが変わりました。

迎えるバッターは2番の北村選手。

その初球がワイルドピッチとなり、藤岡選手は自慢の俊足を飛ばし、1塁から一気に3塁に陥れた。

再度、早稲田大学はピンチを迎えることとなった。

そこで、再度ワイルドピッチとなり、勝ち越し点を亜細亜大学が挙げ、そのまま14回の早稲田大学の攻撃をしのぎきり、2年ぶり5回目の秋の大学日本一となった。
やはり、総括的にこの試合を振りかえってみてみると、13回裏の早稲田大学の4番の丸子選手をファーストゴロに仕留め、落ち着いてダブルプレーでピンチをしのいだことが、その次の回の14回の表の亜細亜大学の攻撃につながったのだと思います。

両チームとも亜細亜大学は、東都大学リーグ、早稲田大学は東京6大学野球と日本随一のレベルの高さのリーグであることが間違いないが、今大会で日本全国に改めて強さを示す結果となったと思います。

今大会は、予想通りに亜細亜大学、早稲田大学が勝ち上がり、決勝でも、どちらに勝ちがころんでもおかしくない好ゲームの試合展開でした。

私は、延長14回途中まで投げ続けた早稲田大学の大竹投手は、163球も投げ、本当に勝ち負けに関係なく凄いと思います。

そして、最後まであきらめない強い気持ちで、13回裏のピンチをしのいだ亜細亜大学の大魔神と呼ばれる花城投手にも勝ちをぐっと引き寄せた丸子選手をファーストゴロに打ち取った投球にも脱帽しました。

延長戦という長いゲームでしたが、ホント中身の濃い最高の試合だったと思います。